95年分

と行っても記録付けはじめたのは 12 月からですが...
『アメリカ海兵隊』野中郁次郎、中公新書 (1995.12.28読了)
『日米開戦』のT.クランシーや、『大包囲網』のS.クーンツなど、 いわゆるテクノロジー・サスペンスと呼ばれるジャンルがあります。 で、その中によく出て来るのが『アメリカ海兵隊』だもんで (クランシー本のジャック・ライアンなんかも海兵隊出身ですね)、 タイトルだけで買いました。
 太平洋戦争での、数々の上陸作戦(日本相手)を中心に、 海兵隊の歴史を記述してあります。上陸作戦における数々の困難や、 それへの解決過程などが詳しく述べられており、 戦史ファンならずとも興味深く読める一冊だと思います。
 最後の章は、『自己犠牲』を貴いものとする海兵隊気質と、 それに対するアメリカ国内の評価など当てられており、 なるほど小説の材料になりやすいわけだ、と納得させられます。 付録の『海兵隊出身著名人リスト』も興味深いです。S.マックイーンとか、 マンスフィールド元駐日大使など、意外な(?)人物が並んでいます。
『依頼人』J.グリシャム、新潮文庫 (1995.12.22読了)
グリシャムは個人的に好きな作家でして、 新潮文庫になってるのは全部読んでるんですが、残念ながら、 これはあんまりおもしろくなかったっす。 確かに読んでる途中は非常に興奮させられますし、 登場人物にも魅力的なタイプが多いのですが、読後感が今ひとつなのです。
 お話は、ひょんなことからマフィアの秘密を知ってしまった主人公(11歳)が、 マフィアと官憲の双方から追われるところとなり、 女性弁護士に代理人を依頼する... と言うものです。 ネタばらしになっちゃうとまずいので、あまり深いところまでは言えませんが、 主人公の行動を読み終わってから振り返ると、 その行動を起こすに至った動機を納得することができないんですよねえ。 まあ、主人公子供ですから、ある意味ではリアルと言えるのかもしれませんが...
 『法律事務所』『ペリカン文書』に比べると、ちょっと残念な出来でした。 (映画は面白かったんでしょうね、きっと...)

文責:中野武雄(96.1.1更新)

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