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slide No. 7 / 8

冒頭で触れた、スパッタリングプラズマ中の銅原子からの発光について説明したいと思います。

銅から放出される強い発光線として、324nmのものと510nmのものがあるのですが、これらは左上図にあるように、同じ凖位を始状態としています。324nmは基底状態への、510nmは1.389eVの状態への遷移です。

これらの発光の圧力依存性や、20Paにおける電力依存性をとったのが右図です。それぞれ縦軸が発光強度のログスケールになっています。ご覧の通り、圧力が上昇したり、電力が増加するとともに 510nmの強度が相対的に増加しています。

この原因として我々が考えているのは、324nmの発光は逆に基底状態の原子を励起してしまうため、粒子の密度が濃くなると吸収されてしまうという効果です。

例えば銅の基底原子の空間密度に対して、324.8nmの光の減衰長を見積もってみますと、10^16 個/m^3 では14cmだったのが、桁が上がると反比例して下がっていきます。

先程の計算結果で得られた密度と、これら2つの発光の変化は比較的良く対応がとれていることがわかります。