SHAR
Section: User Commands (1)
Updated: September 10, 1995
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名前
shar - シェルアーカイブを作成する
書式
shar [ options ] file ...
shar -S [ options ]
説明
shar は「シェルアーカイブ (shar ファイル)」を作成する。
これはテキスト形式なので、メールで送ることができる。
これらのファイルをほどくには、 /bin/sh を使って実行すればよい。
作成されたアーカイブは、-o オプションで指示されない限り、
標準出力に送られる。
shar には様々な機能があるので、 shar ファイルの作成や
shar の「賢さ (smartness)」の指定は、非常に柔軟に行うことができる。
アーカイブは、「簡潔 (vanilla)」にも詳細にもできる。
オプション
オプションには、- で始まる 1 文字のバージョンと、
-- で始まる長いバージョンがある。
--help, --version,
--no-i18n, --print-text-domain-dir は例外で、
短いバージョンがない。
長いオプションに必須の引き数は、短いオプションでも必須である。
オプションはどのような順番でも与えることができる。
互いに依存しているオプションもある。たとえば、
-l や -L オプションを使う場合、-o オプションが必要である。
-a オプションを使う場合、-n オプションが必要である。
下記の -V オプションも参照すること。
フィードバックを与える:
- --help
-
ヘルプを標準出力に表示し、すぐに終了する。
- --version
-
プログラムのバージョン番号を標準出力に表示し、すぐに終了する。
- -q --quiet --silent
-
アーカイブを作成するとき、詳細なメッセージを出力しない。
ファイルの選択:
- -p --intermix-type
-
指定位置に依存するパラメーターオプションの使用を許す。
-B, -T, -z, -Z オプションを
(ファイルリストに) 入れてよい。
このオプションの後ろのファイルはすべて、指示されたモードで処理される。
- -S --stdin-file-list
-
コマンドラインからではなく、標準入力からパックするファイルの一覧を読み込む。
入力は find コマンドで生成される形式と同じく、
1 行に 1 つのファイル名でなければならない。
パックするファイルの一覧をコマンドラインに書けない場合に、
このオプションは非常に役立つ。たとえば、
find . -type f -print | sort | shar -S -Z -L50 -o /tmp/big
-p が指定された場合、
-B, -T, -z, -Z オプションを
標準入力に入れることができる (行はファイル名で区切られる)。
標準入力の行数、ファイル名、オプションは最大 1024 を越えてはならない。
出力の分割:
- -o XXX --output-prefix=XXX
-
アーカイブを標準出力に送らず、ファイル XXX.01 から XXX.nn に保存する。
-l または -L オプションを使う場合、
このオプションを使うこと。
- -l XX --whole-size-limit=XX
-
出力ファイルのサイズを XX キロバイトに制限しようとする
(このサイズより小さくなる場合は、
複数の入力ファイルをまとめた出力ファイルを作成する)。
しかし、(1 つの入力ファイルをアーカイブしたサイズが
これより大きくなる場合でも) 入力ファイルを途中で分割しない。
- -L XX --split-size-limit=XX
-
出力ファイルのサイズを XX キロバイトに制限し、必要ならば分割する。
このオプションで作られた、分割形式のアーカイブファイルは、
正しい順番でファイルを取り出さなければならない。
shar ヘッダーの制御:
- -n name --archive-name=name
-
shar ファイルのヘッダーにアーカイブ名を入れる。
-a オプションを参照すること。
- -s who@where --submitter=who@where
-
自動的に決定される作成者名を上書きする。
- -a --net-headers
-
次のようなヘッダーを自動生成する。
Submitted-by: who@where
Archive-name: <name>/part##
<name> は -n オプションで指示しなければならない。
name に '/' が含まれている場合、"/part" は使われない。つまり、
-
-n xyzzy の場合:
xyzzy/part01
xyzzy/part02
-n xyzzy/patch の場合:
xyzzy/patch01
xyzzy/patch02
-n xyzzy/patch01. の場合:
xyzzy/patch01.01
xyzzy/patch01.02
-
who@where がデフォルトでは不適切な場合、-s
オプションを使って明示的に宣言できる。
who@where は本来 `whoami`@`uname` で作られる。
- -c --cut-mark
-
shar ファイルを cut line で始める。'Cut here' と書かれた行が、
各出力ファイルの先頭に置かれる。
ファイルの格納法の選択:
- -M --mixed-uuencode
-
混合モード。ファイルがテキストなのかバイナリなのかを決定し、
正しくアーカイブを作る (デフォルトである)。
バイナリであるとわかったファイルは、パックする前に uuencode される
(ネットワーク上の多くの人に、uuencode の使用は煙たがられる)。
- -T --text-files
-
すべてのファイルをテキストとして扱う。
- -B --uuencode
-
すべてのファイルをバイナリとして扱い、パックする前に uuencode する。
このオプションは、アーカイブのサイズを増大させる。
受信者は、ファイルを取り出すために uudecode を持っていなければならない
(ネットワーク上の多くの人に、uuencode の使用は煙たがられる)。
- -z --gzip
-
パックする前に、すべてのファイルを gzip して uuencode する。
受信者は、ファイルを取り出すために uudecode と gzip を持っていなければならない
(ネットワーク上の多くの人に、uuencode と gzip の
使用は煙たがられる)。
- -g LEVEL --level-for-gzip=LEVEL
-
圧縮するとき、'-LEVEL' を gzip のパラメーターとして使う。
デフォルトは 9 である。
-g オプションは、デフォルトで -z オプションをオンにする。
- -Z --compress
-
パックする前に、すべてのファイルを compress して uuencode する。
受信者は、ファイルを取り出すために
uudecode と compress を持っていなければならない
(ネットワーク上の多くの人に、uuencode と compress の
使用は煙たがられる)。
-C オプションは、-Z と同義であるが、推奨されない。
- -b BITS --bits-per-code=BITS
-
圧縮するとき、'-bBITS' を compress のパラメーターとして使う。
-B オプションは、デフォルトで -Z オプションをオンにする。
デフォルトの値は 12 である。
転送エラーに対する保護:
- -w --no-character-count
-
ファイルを取り出すした後、'wc -c' を使って各ファイルをチェックしない。
デフォルトではチェックする。
- -D --no-md5-digest
-
取り出したファイルを検査するために 'md5sum' ダイジェストを使わない。
デフォルトでは、チェックする。
- -F --force-prefix
-
必要がない場合でも、強制的にプレフィックス文字
(-d オプションの引き数が 'X' で始まっていない限り、通常は 'X') を
すべての行の行頭におく。
特に -B や -Z が使われる場合、
このオプションはアーカイブのサイズを少し増加させる。
- -d XXX --here-delimiter=XXX
-
SHAR_EOF のかわりに XXX を shar アーカイブの中のファイルの境界に使う。
このオプションは、shar ファイルをその人独自のものにしたい人のためにある。
何種類かの shar ファイルの作成:
- -V --vanilla-operation
-
unshar をする環境に sed と echo だけがあれば良いような、
「簡潔な (vanilla)」shar ファイルを生成する。
さらに、-x オプションを使わないときは、
"if test" をサポートしなければならない。
-V オプションは、"network cop" (または、"brown shirt"
(訳註:やたらと検閲したがる人)) が
不快に感じるオプションを暗黙のうちに不可にする。
しかし、-B, -z, -Z, -p, -M
オプションと同時に指定されると、警告を発する
(これらのオプションは、unshar をする環境に
uudecode, gzip, compress を必要とする)。
- -P --no-piping
-
shar ファイル (の展開) にパイプではなく一時ファイルを使う。
- -x --no-check-existing
-
チェックせずに、既に存在するファイルを上書きする。
-x も -X も指定されない場合は、
アーカイブからファイルを取り出すときに、
既に存在するファイルをチェックして上書きしない。
ファイルを取り出すとき、
-
sh archive -c
-
というように、-c がスクリプトへの引き数として渡されると、
既に存在するファイルが無条件に上書きされる。
- -X --query-user
-
ファイルを取り出すとき、ファイルの上書きをユーザーに対話的に尋ねる。
(ネットワーク上に送信する shar ファイルに使ってはならない)。
- -m --no-timestamp
-
アーカイブからファイルを取り出すときに 'touch' コマンドを生成しない。
ファイル修正日時は復元されない。
- -Q --quiet-unshar
-
詳細出力をしない。
ファイルを取り出すときに出力されるコメントをアーカイブに含めない。
- -f --basename
-
パスを考慮せず、ファイル名だけで復元をする。
このオプションはファイル名だけが使われるようにする。
shar ファイルが複数のディレクトリから作られる場合に役立つ。
ディレクトリ名が shar に渡される場合、
-f オプションが指定されているかどうかに関係なく、
そのディレクトリ以下の階層は復元されることに注意すること。
国際化:
- --no-i18n
-
国際化されたシェルアーカイブを作らず、デフォルトの英語メッセージを使う。
shar は通常、
アーカイブからファイルを取り出すときに
(環境変数 LANG/LC_MESSAGES で決定される) その人の好みの言語で
メッセージを出力することができるアーカイブを作る。
ファイルを取り出すとき、その人の言語のメッセージファイルがない場合は、
メッセージは英語になる。
- --print-text-domain-dir
-
shar がいろいろな言語のメッセージファイルを見つけるための
ディレクトリを表示し、すぐに終了する。
例
shar *.c > cprog.shar # すべての C プログラムソース
shar -Q *.[ch] > cprog.shar # 詳細出力なし。.c と .h ファイル
shar -B -l28 -oarc.sh *.arc # すべてのバイナリ .arc ファイルを、
# ファイル arc.sh.01 - arc.sh.NN へ
shar -f /lcl/src/u*.c > u.sh # ファイル名のみを使用
警告
ファイルを取り出すとき作られるディレクトリに対して、
chmod と touch が起動されることはない。
よって、ディレクトリを shar でパックすると、
取り出されたディレクトリのアクセス権・修正日時は、
元のディレクトリのものと一致しない。
shar にディレクトリを渡すと、
ディレクトリは 2 回以上スキャンされる。
よって、shar が動作している間にディレクトリを変更しないように
注意しなければならない。
出力ファイルが入力ファイルに含まれないように注意すること。
さもないと、shar はディスクが溢れるまでループする。
特に、shar にディレクトリを渡すときは、
出力ファイルをそのディレクトリ (もしくはそのサブディレクトリ) に
置かないように注意すること。
-B, -z, -Z, 特に -M を使うと、
ファイル数に応じてアーカイブプロセスが非常に遅くなる。
-X オプションを使うと、多くの unshar プロセスで
間違いなく 問題を引き起こす shar ファイルが作られる。
この機能を使うのは、合意の取れた集団内で受け渡されるアーカイブのみにすること。
もちろん、-X は Usenet に発信される
シェルアーカイブのためのものではない。
-B, -z, -Z をネットワーク上の shar ファイルに使うと、
非常に非難されるだろう。
-m と -F を使わない場合も、時々苦情を言われるだろう。
関連項目
unshar(1)
返り値
不正なオプション・矛盾するオプション、
一般でないファイル・見つからないファイル・アクセスできないファイル、
(有り得ない) メモリ割り当ての失敗、に対するエラーメッセージ。
著者
shar と unshar プログラムは多くの著者の協同作品である。
多くの人々が、問題の報告・いろいろな改良の示唆・実際のコードの提供に
貢献してくれた。
これらの人々は sharutils ディストリビューションの
THANKS というファイルにリストされている。
Index
- 名前
-
- 書式
-
- 説明
-
- オプション
-
- フィードバックを与える:
-
- ファイルの選択:
-
- 出力の分割:
-
- shar ヘッダーの制御:
-
- ファイルの格納法の選択:
-
- 転送エラーに対する保護:
-
- 何種類かの shar ファイルの作成:
-
- 国際化:
-
- 例
-
- 警告
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- 関連項目
-
- 返り値
-
- 著者
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Time: 04:31:27 GMT, November 19, 2007