POSIX_FADVISE

Section: Linux Programmer's Manual (2)
Updated: 2003-02-14
Index JM Home Page roff page
 

名前

posix_fadvise - ファイルデータのアクセスパターンをあらかじめ宣言する  

書式

#define _XOPEN_SOURCE 600
#include <fcntl.h>

int posix_fadvise(int fd, off_t offset, off_t len, int advice);
 

説明

プログラムは、将来特定のパターンでファイルデータに アクセスする意思を伝えるために posix_fadvise() を使うことができる。 これにより、カーネルが適切な最適化を実行することが可能になる。

advicefd が参照しているファイルの offset から始まる len バイトの範囲内 (len が 0 の場合はファイルの終りまで) の (必ずしも存在しない) 領域に適用される。 アドバイスは義務づけではない。 アドバイスは単にアプリケーションのために可能性を構成するだけである。

advice に許される値には、以下のものが含まれる:

POSIX_FADV_NORMAL
指定されたデータのアクセスパターンを指示するアドバイスを アプリケーションが何も持っていないことを示す。 オープンされたファイルにアドバイスが指定されない場合、 これがデフォルトで仮定される。
POSIX_FADV_SEQUENTIAL
アプリケーションは指定されたデータがシーケンシャルに (大きなオフセットの前に小さなオフセットのデータを読むように) アクセスされることを期待する。
POSIX_FADV_RANDOM
指定されたデータがランダムな順番でアクセスされる。
POSIX_FADV_NOREUSE
指定されたデータは 1 度しかアクセスされない。
POSIX_FADV_WILLNEED
指定されたデータは近い将来アクセスされる。
POSIX_FADV_DONTNEED
指定されたデータは近い将来アクセスされない。
 

返り値

成功した場合は 0 が返される。 失敗した場合はエラー番号が返される。  

エラー

EBADF
fd 引き数が有効なファイルディスクリプタでない。
EINVAL
無効な値が advice に指定された。
ESPIPE
指定されたファイルディスクリプタがパイプまたは FIFO を参照している (この場合、Linux は実際には EINVAL を返す)。
 

バージョン

posix_fadvise() はカーネル 2.5.60 で登場した。 glibc でのサポートは glibc バージョン 2.2 以降で行われている。  

準拠

POSIX.1-2001. len 引き数の型が POSIX.1-2003 TC1 において size_t から off_t に変更された点に注意すること。  

注意

Linux では、POSIX_FADV_NORMAL はバッキングデバイスの デフォルトサイズに先読み (readahead) ウインドウを設定する。 POSIX_FADV_SEQUENTIAL はこのサイズを 2 倍し、 POSIX_FADV_RANDOM は先読みを全く無効にする。 これらの変更はファイル全体に影響し、指定された領域のみに影響するわけではない (しかし同じファイルに対する他のオープンファイルハンドルは影響を受けない)。

POSIX_FADV_WILLNEED は、 ページキャッシュに指定領域のブロックされない読み込みを開始する。 読み込まれるデータの総量は、 仮想メモリの負荷に依ってカーネルが減らすかもしれない (数メガバイトであれば通常は全く十分であり、 それより多くてもめったに役に立たない)。

2.6.18 より前のカーネルでは、POSIX_FADV_NOREUSEPOSIX_FADV_WILLNEED と同じ意味であった。 これは多分バグであった。 カーネル 2.6.18 以降では、このフラグは何も行わない。

POSIX_FADV_DONTNEED は指定された領域に関連付けられた キャッシュページを解放しようとする。 例えば、これは大きなファイルをストリーミングするときに役立つ。 プログラムは、使用済みのキャッシュされたデータを解放するように、 定期的にカーネルに要求するかもしれない。 そうすることにより、さらに有効なキャッシュされたページが、 代わりに破棄されることはない。

まだ書き出されていないページは影響を受けないので、 そのページの解放が保証されることをアプリケーションが望んでいるなら、 最初に fsync(2) または fdatasync(2) を呼ぶべきである。  

バグ

2.6.6 より前のカーネルでは、 len に 0 が指定された場合、 「ファイルの終りまでの全てのバイト」という意味ではなく、 文字通り「0 バイト」として解釈されていた。  

関連項目

posix_madvise(2), readahead(2), posix_fallocate(3), feature_test_macros(7)


 

Index

名前
書式
説明
返り値
エラー
バージョン
準拠
注意
バグ
関連項目

This document was created by man2html, using the manual pages.
Time: 04:31:56 GMT, November 19, 2007