なんか JVSTA の alert mail も捩れていた (issue 3 のが 3 月と 5 月に 2 度来た) が、まあいいや。
通常の planar な MS だと α-アルミナは 1000K 以上の基板温度が必要だが、
dual inverted cylindrical magnetron と AC 電源を使うと結晶ができるんやで、
という話。DICM は
ref 16
によれば、向い合わせた MS のまん中に基板を置いたような格好。
酸素流量を増やして成膜速度が遅くなると、
SIMS で見た O/Al が 1.5 以上になり H content が多くなる。
ので水素重要、と言ってるが、どうだかなあ。
マグネトロンの外部に 150G 程度までかかる外部ソレノイドコイルを置いて
電流とか erosion track のかたちとかを見た話。Kadlec さんが昔やっていたような。
中央部は移動するけど、あまり均一性が向上したようには見えん。
幾何計算。off-axis ってのは FTS ではなくて、基板がずれてるときの話。
QCM で測ったスパッタ率のイオンエネルギー依存性、入射角依存性など。
校正法なんかも書いてあって面白そう。
提示されているのは Xe→Mo, Ar→Cu, Ar→W の 80〜1000 eV の normal incidence,
および Xe→Mo の 300, 500, 1keV における 0〜80度のデータ。
スパッタのレビューとして
ref8
。これは拾うか買うかしておこうかな。58 ページが $30 なら安い気がする、
ってのは感覚が麻痺しているだろうか。
炭化水素系の混合ガスの m/e の近いやつの弁別に、
窒素温度における吸着確率の違いを利用しようというアイデア。
トラップを間に挟み、窒素が満ちるまでのシグナルの時間変化を使いましょ、
ということらしい。ちょっと面白い。
名大の Nafarizal さん、佐々木先生。
Ti の壁面近くの LIF による密度分布から、
拡散状態にあるとして、粒子の付着確率を Chantry の式で導出したもの。
いつぞや応物でお聞きしたやつ。
求められた付着確率は 0.9±0.2。
聞いたときはもうちょい小さかったような気がするけど…
これ
と同じ著者。こっちはパターンが同じで基板温度を変えたもの。
900 ℃までいくと pattern が潰れて見えなくなる。
まあ振ってるパラメータが違うから二重投稿ではないけれど、なんだかなあ。
ガラス基板に φ1/4um のダイヤモンド粉で一方向に傷を付け、
〜200nm のプラチナを Filtered Vacuum Arc で漬け、
in situ で縦方向・横方向の抵抗を測って膜厚依存性にしたもの。
Fishman-Calencki のモデルにある散乱の相関長と
AFM で測った表面粗さとの関係を議論していたり。
斜めスパッタで作った groove でやってみても面白いかも、とちょっと思った。
アルバック楠本さんの、コンダクタンス対称性と散乱角異方性の話。
昨秋の連合講演会での話かな。これ真空誌の方には投稿されてたっけか。
背景ガスとして Ar を 3E-2, 9E-2, 0.25 Pa または He を 9E-2 Pa 入れた容器で Zn の Hot wall depo をした話。Si に 4cmφ の hole を開けた仕切りを 2 枚入れ、
膜厚を実測して DSMC におけるシミュレーションと比較した話。
やっぱり付着確率とソース温度の分が uncertainty になって、
まだちょっと難しいかもね、という結論。Zn だと難しいというのもあるかも。
酸素を入れない RF スパッタで Si 上に SiO2 の薄膜を作った話。
0.54 Pa、ターゲットのサイズが書いてないけど 100W、基板温度は 200〜500 ℃で、
1〜60 分堆積、AFM, 分光エリプソ、
んで XRR を REFSIM というソフトウェアパッケージで処理して porosity とその層の厚さ評価。
5〜10 nm 前後で island like から columnar like へ、その厚さは温度によって異なる、と。
いろいろやられているけど、ストーリーがいまいちピンボケな印象。
最初の
と同じグループ、同じ装置。化合物モードでの depo。
光学透過率、XRD, SEM, SIMS 測定。
背景圧力は 1E-4 と 4E-4 (ってなんで違うの?)、
酸素不純物は 1E18 cm^-3 のレベル。
HPPMS で Cr 層を着けたあと、CrN/NbN 多層膜を積んで付着力を見た話。
製膜中の energy profile、EDX で組成分析、XTEM で界面分析。
Ar プラズマ処理・Cathodic Arc での Cr 中間層と比べ、付着力が増したとのこと。
化合物生成についていろいろ議論されているが、
まあ基本的には基板と壁とで温度が違い、reaction yield (sticking coefficient) が異なる場合の話、と思っていればよさげ。
Si/SiO2 ターゲットから depo し、窒素中 1100 ℃で焼いた nc-Si 構造に
Al, Pd, Pt を 10 ないし 100 nm 蒸着、
水素中での熱処理後に金属は酸で除去して PL を見た実験。
水素がうまいこと終端して PL 強度を増す、金属がなんらかの触媒として作用する、
というような話があるのだそうで。
まあ確かに強度は増してるけど、cap なしでアニールした試料がないのでなんとも。